対象テーマは
「空気中の拡散物質のノンサンプリング計測」
当社は、社外対象の研究奨励賞「堀場雅夫賞」の第7回目となる本年度募集を4月1日から開始します。今回の対象テーマは「人間の健康・安心・安全に影響する空気中の拡散物質のノンサンプリング計測」です。
本賞は、堀場製作所が育んできた原理、要素技術ならびにそれらの応用分野を中心に毎年テーマを定め、多数の研究者の皆様から応募をいただき、その中から毎年3名の研究者を表彰しているものです。
本年は、当社の環境計測事業に関連して、空気中の拡散物質のノンサンプリング計測技術をテーマとします。分析・計測技術発展の将来の担い手となる方々の積極的な応募を期待するとともに、画期的でユニークな分析・計測技術に「おもしろおかしく」従事されている研究者・技術者を支援することで、計測技術の発展の一助になればと願っています。
今回の募集対象について
自然発生する火山ガスや黄砂から、人工的な排ガスや室内のアレルギー原因物質まで、あらゆる発生源から空気に放出された化合物は、拡散速度が早く移動距離が長いという特徴があり、発生源から放出されてから比較的短時間で広範囲に影響を及ぼし、その間に様々な形態に変化をして周囲の環境に影響を与えます。特に人間の生活や健康に被害を及ぼす物質に関して、空気中での時間的・空間的な変動やその変化過程を正しく把握することは、人体への影響を予測する上で重要な仮題となっています。それ故、目的成分の迅速かつ高い精度を持つ検出・計測技術として、サンプリング手法を必要としない監視技術が今後ますます求められます。このような背景から、今回、空気中の拡散物質、特に人間の健康・安心・安全に影響する物質に関するノンサンプリング計測に着目し、その技術を募集分野に設定します。
応募要綱
募集対象 | 国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方 |
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募集分野 | 「人間の健康・安心・安全に影響する空気中の拡散物質のノンサンプリング計測」 |
応募期間 | 2010年4月1日~5月31日 |
審査方法 | 審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定 |
発表 | 7月末予定 |
賞の内容 | 受賞者には、賞状及び副賞として助成金を支給 (副賞は、1件あたり金150万円を支給します。ただし本賞および副賞の授与は応募資格の継続が条件) |
表彰式 | 2010年10月15日(金) 京都大学芝蘭会館 (京都市左京区吉田牛の宮11-1) 受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピールする予定 |
応募方法 | 応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載: |
応募・お問い合わせ先 | 〒601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地 |
審査委員会(敬称略、順不同) | |||
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名誉審査委員長 | 堀場 雅夫(株式会社 堀場製作所 最高顧問) | ||
審査委員長 | 堀場 厚(株式会社 堀場製作所 代表取締役会長兼社長) | ||
副審査委員長 | 森田 昌敏(もりた まさとし); | ||
審査委員 | 松見 豊(まつみ ゆたか); 植松 光夫(うえまつ みつお); 斉藤 保典(さいとう やすのり); Dr.Martin Moskovitz(マーティン モスコヴィッツ); 中村 忠生(なかむら ただお); 伊藤 正義(いとう まさよし); |
参考資料
対象テーマと当社のかかわり
今回の募集対象「人間の健康・安心・安全に影響する空気中の拡散物質のノンサンプリング計測」にかかわる技術は、当社の環境計測事業の将来の展開に密接にも関係しています。
従来の大気汚染監視機器の多くは、空気を装置内に採取して検出器に導入する方式を採用しています。しかしこの方式では、検出までの過程において空気の性質を変化させる妨害成分が測定値に大きく影響し、その濃度を正確に把握する事が困難な成分もあります。またそれに伴う複雑な操作のため、目的成分を迅速に検出するには限界があります。今回の応募では、サンプリング手法を必要としない大気の監視技術に着目し、ユニークかつ最先端のノンサンプリング計測技術の発掘と実現を追求していきます。
サンプリング計測とは
対象の気体(空気やガス)の一部をパイプなどで測定機に取り込むことではかるやり方。
測るまでの経路で気体の成分が変化するかもしれないため、ノンサンプリング式でより正確に測ることができるとされている。