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「環境自動連続モニタリング技術」出版に協力

2008年5月12日


中国初の環境計測手法の専門書に執筆協力
大気・水質の正しい計測の仕方、技術教育に当社ノウハウ
明日13日北京で共同記者発表

当社は、中国の化学工業出版社 (*1)(北京市)が発刊する、環境計測方法のバイブルとも言える大気・水質計測手法の推奨ガイドブック「環境自動連続モニタリング技術」に、同出版社の要請により執筆協力。経済成長と共にサミットでも環境問題が取り上げられているように、中国にとって日本からの種々のサポートが期待されています。そのなかで、計測手法の標準化につながるガイドブックの発刊は、広大な中国の今後の計測ネットワーク構築に寄与すると期待されています。

1966年、当社の礎となるpHメーターの技術輸出を始めとし、中国とは単にビジネス上だけではなく、工業化技術の普及面からも日中友好の一助となってきたものと自負しています。2003年9月に中国政府から当社の品質が認められ、特に環境規制の厳しいモデル都市重慶に、国家環境プロジェクトで利用される排ガスモニタリング装置を納入しました。また、移動排出源である自動車排ガス計測システムに関しても公的機関へ納入しています。さらに、2006年3月に水質汚濁自動計測器で、中国の地球環境対策に寄与したことが評価され、紫外線水質汚濁自動計測器(OPSA-150)(*2) が、中国環境保護省から水質汚濁自動計測機器(UV計)(*3) 認証第1号を取得しました。

一方、急伸する経済に呼応するように、環境問題が深刻化している中国では、大気や水質規制に向けた計測の必要性が高まっています。そのために、数値変化を把握できる連続自動モニタリング (*4) が、都市部から地方に至るまで広大な中国全土をネットワーク化できる標準化した計測手法が重要です。
このような状況から、中国の理工学系出版業界で歴史が古く権威のある政府系の出版社である化学工業出版社より、分析測定担当技術者のバイブルとなる計測手法のガイドブック「環境自動連続モニタリング技術」が発刊されることになりました。
なお、今月中旬に中国全土で発売を予定しています。
同出版社が制作に際しての執筆者選定において、中国工業界への貢献や製品そのものの評価に加えて、当社の40年にわたる計測ノウハウや技術力が、環境対策先進国である日本の計測機器メーカーの中から当社を執筆依頼先に決定した理由だとのとです。

執筆に際しては、大気や水質など環境分野の製品開発の専門技術者総勢27名が担当し、約2年の歳月を要して刊行に至りました。計測手法を山間部 (*5) や農村集落 (*6) などシチュエーションごとに紹介し、環境対策に取り組みやすいよう工夫しました。今回のような、当社の開発陣が出版社からの要請による執筆という形で当社のノウハウや技術を提供するのは、2006年発刊の日本国内自動車分野の若手エンジン技術者向け参考書の「エンジンエミッション計測ハンドブック」に次いで2回目です。

今年7月、北海道洞爺湖サミットでは、―地球温暖化対策―「ポスト京都議定書」が議題のひとつです。

計測技術指導を通じて、中国の経済成長や環境改善に貢献できる今回の出版は、以前の自動車と同様に、当社の技術力の高さを、それも海外から認められたもので、今後も他の分野から要請があれば、国内外問わず技術ノウハウ面での貢献を進めていく方針です。

参考資料

  • 「環境自動連続モニタリング技術」概要監修:石田 耕三[(株)堀場製作所副社長]
    編著:李 虎[(株)堀場製作所 海外営業部]
  • 主監:郝吉明(清華大学教授)
  • 出版社:化学工業出版社(北京市東城区青年湖南街13号)
  • 定価:48元(約720円)
  • 体裁:B5版/272頁 白黒
  • 発行部数:5000部
  • 項目:  
    第1篇 汚染物質発生源モニタリングシステム   
      第1章 排水処理、   
      第2章 固定発生源排出ガス、   
      第3章 移動発生源排出ガス  
    第2篇 環境質のモニタリング   
      第4章 地表水の環境水質、   
      第5章 大気環境、  
      第6章 酸性雨   
      第7章 7.1 近海環境水質、7.2 黄砂、7.3 騒音及び振動、       
      7.4 空間放射線の線量率及び空気中の放射性物質、       
      7.5 水銀、7.6 リモートセンシング  
    第3篇 監視センター及び保障システム   
      第8章 地域中央監視センター及び通信   
      第9章 品質保証/品質管理(QA/QC)システム       
      および保障システム
  • 執筆:株式会社堀場製作所、     
    株式会社堀場アドバンスドテクノ、     
    株式会社堀場テクノサービス、     
    京都府保健環境研究所大気課、音環境技術研究所
  • 協力:化学工業出版社、中華環境保護連合会、     
    中華環境保護基金会、日本環境化学会、中国工程院、    
    (社)日本環境技術協会、酸性雨研究センター

●用語解説

(*1) 化学工業出版社

設立55年の歴史をもつ、理工学系出版物を幅広く取り扱う出版社です。(北京市東城区青年湖南街13号) HP: www.cip.com.cn

(*2) 中国環境保護省

日本での環境省に相当する政府機関。中国では、環境保護に関する測定装置の認証も行っています。

(*3) 水質汚濁自動計測機器(UV計)

紫外線吸収法(UV法)=サンプル(測りたい水)に紫外線を照射して紫外線の吸収度を計測する。サンプル中に有機物が存在すると、紫外線を吸収するため、有機物の濃度を測定することができます。一般に、紫外線吸収法による測定とCOD値には相関が良好であることがわかっており、COD測定のための方法として使用されています。

(*4) 環境自動連続モニタリング

一定間隔で自動的に対象をモニタリングし、継続的かつ安定的にデータの収集と分析を行うことができるシステムの技術です。

(*5) 山間部のモニタリング

酸性物質が大気圏から地表に沈着するものをモニタリングします。日本の25.3倍の国土をもち、今や二酸化硫黄の排出量がアメリカを抜き第一位である中国では、硫黄酸化物の広域的なモニタリングが、最も重要視されているものの一つです。たとえば、酸性雨の動向観測に利用されており、人間活動から離れた僻地から道路や工場の周辺まで、さまざまな場所でデータ測定を行い、移動性がある大気中の酸性沈着の発生や移動状況などを連続的に把握すること期待されています。

(*6) 農村集落のモニタリング

自動化された農村集落排水処理施設を設け、水の浄化処理や水資源のリサイクルを可能とするものです。中国全土における年間平均降雨量は日本と比較して約3分の1で、また全土の45%の年間平均降雨量は約4分の1です。連続自動モニタリングシステムは、排水処理工程の安定的で最適な環境下の設備運転と施設の効果をモニタリングする役割を担っています。万一、異常値を測定した場合は、施設の監督室や地元自治体などに自動的に警告されるシステムとして期待されています。