幅広い現場において有機物測定で活躍するTOC計


TOC測定ソリューション | オンラインTOC計の活用シーン

私たちの暮らしや産業活動において使用された水を、環境へ安全に戻すためには、水質を適切に監視し、有害物質が含まれていないことを確認する必要があります。また、排水だけでなく製造プロセスで使用される水においても、機器の保護や製品品質の維持のために水質のモニタリングは不可欠です。
排水中の BOD(生物化学的酸素要求量)や COD(化学的酸素要求量)に影響を与える有機物量、およびプロセス水に混入する油脂類などの検出には、TOC(全有機炭素)分析が有効な手段として活用されています。TOC分析はBODやCOD分析と比べて、測定結果が早く出ることが特徴です。BODやCODと相関関係がみられることも多いため、水質汚染の指標として、排水処理・環境保全・プロセス管理など多くの分野で導入が進んでいます。

高温×無触媒で高濃度・難分解性有機物に対応する、TOC測定ソリューション

HORIBAのオンラインTOC計は、国内で一般的に用いられている不揮発性有機炭素(NPOC)だけでなく、全炭素(TC)の測定にも対応しています。
メンテナンスに配慮した構造とステータス画面・通知機能により、お客様の保守の手間を減らしながら安心して運用できます。 また、1200℃燃焼酸化方式により触媒を使わずに高濃度の有機物や難分解性有機物を酸化分解することが可能で、接液部の汚れや詰まりを抑制する設計と合わせ高濃度サンプルなどの測定にも最適です。

 

自動全有機体炭素測定装置(オンラインTOC計) TOCADERO ONE

「サンプルの測定条件を検討したい」、「測定可否を確認したい」といったご要望にお応えできるよう、当社では受託分析を実施しております。

現場別にみるオンラインTOC計の活用シーン

TOC測定は、最終放流水の水質監視に加え、排水処理の前段階でも活用が進んでいます。処理前の原水や中間水に含まれる有機物量を把握することで、処理工程の最適化や設備の安定運用、コスト削減につながります。特に、有機物負荷が急激に変動した場合や、処理能力を超える流入が発生した際には、リアルタイムで異常を検知できるため、迅速な対応やトラブルの未然防止が可能となります。また、複数ラインから流入する場合でも、各ラインのTOC測定により異常発生源を容易に特定でき、迅速な対応と原因究明が可能になります。従来のBODやCOD測定では難しかったリアルタイムな水質把握を実現することで、排水処理のさらなる効率化を図ることが可能です。

工場や下水処理場では、排水を敷地外へ放流する前に水質確認が求められており、環境保全や法令遵守の観点からも重要な工程となっています。従来はBODやCODによる測定が一般的でしたが、測定に時間がかかる、測定対象が限定される、廃液が発生するなどの課題がありました。これに対し、TOC測定は、有機物量をより直接的かつ迅速に把握できる指標として注目されており、最終放流水の監視や水質管理の効率化に貢献しています。リアルタイムでの測定が可能なため、異常検知やトラブルの早期対応にも有効であり、安定した排水管理体制の構築に寄与します

復水とは、蒸気タービンで使用した蒸気を冷却凝縮し水に戻したものです。蒸気タービンの復水に油脂類などの有機物が混入すると、スケールや腐食でボイラー効率が低下し、設備損傷やコスト増に直結します。TOC計の連続測定で異常を即時に検知し、再循環判断と予防保全を迅速化します。

※ 複数のセンサで燃焼炉などを自動的に監視し、メンテナンスや寿命に関するアラートを画面に色分けして表示します。 (正常=「緑」、軽度警報=「黄」、重度警報=「赤」)

メンテナンス画面

空港の滑走路上の水は、除氷剤や油による有機汚濁リスクがあります。そのため、空港内で水質を確認してから排水されます。TOC濃度を測定することで処理の要否を判断し、効率的な排水処置を実施できます。

それぞれの用途の詳しいご説明は、こちらからご確認いただけます。

 

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