飲料水中のカルシウム量を求める場合、原子吸光法(AA)や誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-OES)が一般的で、酸性溶離液を用いるイオンクロマト法(IC)でもカルシウムの存在形態にかかわらず総カルシウム量が測定されます。一方、カルシウムイオン電極法では遊離のカルシウムイオンが測定されます。また、キレート滴定法では遊離のカルシウムイオンと一部の結合カルシウムが測定されます。
ただし、カルシウムイオン電極法(LAQUAtwin Ca2+)においても、前処理としてサンプルを酸性にすることにより無機酸と結合したカルシウムをイオン化させ、その全量を測定できます。
ここでは、種々の測定方法による飲料水中のカルシウムの実測値に基づき、上記の内容を説明します。
表には、それぞれのサンプルに対しての記載値および各測定方法で得られた値を示しています。また、図1では前処理の有無によるイオンクロマト法との相関性の違いを、図2では処理後のLAQUAtwin Ca2+の値とその他の測定法との相関を示しています。カルシウム量が多いミネラルウォーターには、硫酸カルシウムや炭酸カルシウム塩として水中に存在している場合があり、前処理をすることでこれらはイオン化したため、 LAQUAtwin Ca2+を使って他の測定法とより相関よく総カルシウム量を測定することができました。
「前処理なし」にも「前処理後」と同等の支持塩を加えています。
前処理後の液5mLに対し、支持塩として塩化カリウム0.0375g 加えて攪拌し溶かす。
LAQUAtwin Ca2+(標準液にて校正済み)で測定し、希釈倍率で換算する。
LAQUAtwinによる飲料水中のカルシウム測定印刷用PDF【326 KB】
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