前章のpH測定の基礎に続き、本章ではガラス電極pH計を用いて実際のサンプルを測定する場合、特に注意を要するサンプルの測定を中心に解説します。
純水、半導体洗浄液、ボイラー水、水道水、地下水、河川水、雨水などのようにpH緩衝能が小さく、導電率も低いサンプルの測定は、pH指示値がふらつき安定しない、あるいは再現性がないなど非常に難しく、次のような問題が生じます。
[測定手順]
堀場製作所では、低導電率水・非水溶媒用に次の電極を用意しています。
低電気伝導率水・上水用pH電極 (型式:9630-10D)
ガラス応答膜の高純度化により水道水や100〜150μS/cmの低導電率水での高速応答を実現。
専用の洗浄液(型式:230)によりいつでも安心して素早い測定が可能。
イオン液体塩橋搭載pH電極 (型式:9600-10D)
新開発のゲル化イオン液体塩橋を採用しており、KClを出さずに液間電位差をより安定させ、低電気伝導率試料で正確で素早い測定が可能。
スリーブToupH電極 (型式:9681S-10D)
低電気伝導率・非水溶媒での応答性が優れたガラス膜を採用。
液絡部は可動スリーブ形で一般用としても使用可能。
[測定手順]
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