製薬、食品業界の安心、安全に寄与するデータ管理の方法

近年、データ改ざんによる問題が多発しており、ニュースなどで目にすることも多くなっています。データ改ざんが発覚すると社会的な信用を失うだけでなく大きな損失が発生することもあります。
また、製品の安全性や信頼性にも関わることなので製薬や食品業界などで関心が高まっているテーマです。データ改ざんの問題を起こさないためには教育も重要ですが、データ改ざんを起こさせない仕組みの導入も必要です。そのためにデータインテグリティという仕組みがあります。

データインテグリティとは

データの信頼性が担保された状態をデータインテグリティ(Data Integrity: DI)と言います。具体的には
・データがすべて揃っていて欠損や不整合がない状態
・データの改ざんが行えず、いつでも見返すことができる状態
を指します。
データの信頼性を確保するための指針として”ALCOA+”という原則があります。この単語はデータインテグリティの担保に必要な要素の頭文字を組み合わせた造語です。

Attributable:帰属性(誰がいつ作成したか明確である)
Legible:判読性(確認しやすく明瞭である)
Contemporaneous:同時性(即時に記録する)
Original:原本性(最初に取得されたものが原本である)
Accurate:正確性(記録が事実を忠実に表現している)
+Complete:網羅性、Consistent:一貫性、Enduring:永続性、Available:利用可能性

参考文献:GOOD PRACTICES FOR DATA MANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDP ENVIRONMENTS(2021)

各機関のガイダンスでもデータインテグリティについて記載されており、ALCOA+を基本原則としています。

参考)表 データインテグリティ関係のガイダンス

機関ガイダンス
PIC/SGood Practices for Data management and integrity in Regulated GMP/GDP Environments
WHOGuidance on Good Data and Record Management Practice
MHRAGMP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry
FDAData Integrity and Compliance with cGMP

pH計におけるデータインテグリティの対応

製薬、食品業界でも多くご使用いただいているスタンドアロン計測器のpH計でのデータインテグリティ対応について、弊社では下記の方法をご提案しています。
・プリンタ印字ベースで対応する方法
・LIMSやMES等のデータ管理システムにpH計を接続する方法
・LAQUA専用Part11対応ソフトを用いる方法
実際に実施する方法を決めるためには、メリットデメリットやお客様の環境、設備などを考慮したうえでご検討いただく必要があります。
それぞれの方法のご説明などは、下記のリンク先の記事からご確認いただけます。

データインテグリティ - HORIBA

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