Technology

磁気力方式

方式2【磁気力方式  ダンベル形】

■特長

  • シンプルな検出器機構により長期安定稼働(試料ガス中に腐食性ガスがない場合)。
  • 試料ガス中に可燃性ガスが共存する場合も測定が可能。
  • 補助ガス不要。

■測定原理

酸素はきわめて強い常磁性(*1)を持つため、磁界の強いほうに引きつけられます。この特性を利用して 引きつけられた酸素を、窒素を充填した2つのガラス球をガラス棒でつないだダンベルの動きとして検出するのが、ダンベル形の酸素分析計です。

 

■構造と動作原理

分析計の構造としては小さな磁界セル(約2cm3)と呼ばれる試料ガス中の酸素を磁化する空間内に、鏡をつけたガラス製ダンベル球が、吊り下げ糸で水平につるされています。(図2-1)
図2-2はダンベル球等の動作を見やすくするため、N極とS極を省き磁界セルを上から見た図です。

図2-1:磁気力方式 ダンベル形 酸素分析計磁界セルの構造(全体図)

図2-1:磁気力方式  ダンベル形 酸素分析計磁界セルの構造(全体図)

図2-2:ダンベル形 酸素分析計磁界セルを上部から見た図

図2-2:ダンベル形 酸素分析計磁界セルを上部から見た図

磁界セル内を酸素を含んだ試料ガスが通過すると、強い常磁性を持つ酸素は、ダンベル球を押しのけて、磁場の最も強い部分へ近づきます。酸素濃度に応じてダンベル球を押し出す力が働き、それにより吊り下げられた鏡を回転させようとする力が発生します。(図2-3、図2-4)
この場合の鏡を回転させる力は次の式によって示されます。

F= (X1 - X2)・V・H
F:ダンベルに作用する力 X1:試料ガスの体積磁化率 X2:ダンベルの体積磁化率 V:ダンベルの体積 H:磁界の強さ

ダンベルの回転に伴う鏡の向きの変化で、光源から鏡に入射された光(入射光)の鏡による反射角度が変化し、受光部での反射光(受光スポット)の位置が変化します。
2枚の特性の揃った光電池で構成されている受光部は、受光スポットの位置により2枚の光電池の起電力に差が生じます。この差に応じた電流を、磁界中にあるダンベル周りのフィードバックコイルに電流を流して力を発生させ、ダンベルをニュートラル位置に戻すフィードバック制御を行います。(図2-5)

この電流量は酸素濃度に比例するため、電流量を濃度に変換する信号処理をします。
実際の分析計では、酸素濃度の応じたダンベルを押し出す力と電流量の制御で発生させる力を常にバランスさせて、常時ダンベルをニュートラル位置に維持します。この制御に必要な電流量を測定し酸素濃度を算出しています。

図2-3:磁気力方式 ダンベル形 酸素分析計の動作原理

図2-3,2-4,2-5:磁気力方式  ダンベル形 酸素分析計の動作原理


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