HORIBAグループの水質計測事業を担う株式会社堀場アドバンスドテクノ(本社:京都市南区吉祥院宮の東町2、代表取締役社長 西方健太郎、以下 堀場アドバンスドテクノ)は、4月7日(現地時間)に仏国グルノーブル近郊※1にある環境・プロセス市場向けに水質計測機器を開発・生産・販売するTethys(テティス) Instruments(インスツルメンツ) SAS(以下、Tethys社)を買収する契約に署名しました。
本買収によりTethys社の強みであるUV分光技術と、堀場アドバンスドテクノが持つ電気化学やサンプリング技術、HORIBAグループが持つ非分散型赤外線吸収法(NDIR)、燃焼技術のコア技術融合で、水質計測システムの研究開発とソリューション提案力の強化を図ります。
Tethys社が加わることで、環境先進国である欧州での技術開発も可能となり、Tethys社の持つ専門性の高い販売ネットワークを活用し、新興国・発展途上国におけるビジネス展開を加速します。相互に保有する技術のシナジー効果で新製品開発を促進し、グローバル市場における水の安心・安全と環境保全に貢献する事業力を強化します。
[事業分野と買収の背景]
堀場アドバンスドテクノの水質計測事業においては、電気化学やNDIRを用いた水質計測機器を提供しています。これまで日本市場を中心に水処理プロセス向けの計測産業に事業を展開し、高いシェアと信頼を得るまでに成長を遂げました。今後さらなる成長のために、ミッションとして「世界中のあらゆる水質を守る」を掲げ、グローバル市場での事業力強化を推進しています。
このたびTethys社が保有する優れたUV分光技術が加わることにより、水・液体計測技術ポートフォリオの幅が広がり、顧客のニーズに応える多様な仕様や価格帯の製品開発の加速が見込まれます。加えて、新興国におけるTethys社の販売ネットワークを活かし、市場ニーズを正確に把握することで、世界の各地域で必要とされる水質計測事業をそれぞれ創出し、社会と環境に貢献するビジネス成長を実現します。
[ビジネスの特徴と狙い]
Tethys社は、水中の化学的酸素要求量(COD)やアンモニア、油などを測定する紫外可視分光法(UV-Vis)をベースにした測定技術をはじめ、リン酸塩、濁度、pH測定など水質計測に必要となる幅広い計測技術を保有しています。
また、Tethys社が独自開発した革新的なモジュラーコンセプトは、複数の計測技術を一つのプラットフォームに搭載し、一台の計測機器でさまざまなパラメーターの同時測定を可能とするもので、ユーザーの水処理プロセスに要するコスト低減にも貢献しています。
さらにTethys社は、成長市場であるインド、東南アジア、中国において専門性の高い販売ネットワークを持っています。これらTethys社の保有する水質計測技術と販売力の強みを活かし、新興国・発展途上国におけるビジネス展開を加速します。
環境先進国である欧州での技術開発も可能となり、これまで堀場アドバンスドテクノとHORIBAグループが培ったコア技術とのシナジーで新製品開発を促進し、グローバル市場における水の安心・安全と環境保全に貢献します。
[Tethys社の概要]
会社名 | Tethys Instruments SAS |
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設立 | 2002年 |
所在地 | モンボノ=サン=マルタン、仏国 (グルノーブル近郊) |
代表者 | Uday Patel |
従業員 | 16名 |
事業内容 | 水質・ガス分析計の開発・製造・販売・サービス |
※1 グルノーブルは仏国のなかでも最先端の研究基盤が集まる都市の一つです。
既存の先端研究基盤の集積を活かして、国内外の産学官の頭脳集積・頭脳流動を実現しており、近郊の町はこのGIANT(Grenoble Innovation for Advanced New Technologies)に集まった研究関係者、学生、企業関係者を中心にした都市開発が進んでいます。