正確に油分濃度測定ができるコツを伝授します!

今回のコラムでは、正確な油分濃度測定のコツについてご紹介いたします。
油分濃度測定には様々な方法がありますが、HORIBAの油分濃度計ではサンプルに含まれる油分を、抽出溶媒を用いて抽出しその油分濃度を測定しています。この前処理過程において、抽出後に溶媒層とサンプル層を層分離させることが正確に測定するポイントです。

例えば、工場排水には界面活性剤が含まれていることが多く、そのままではエマルジョン(乳化層)を形成してしまい、層分離が起こりません。しかし、適切な前処理を行うことによって、界面活性剤を含むサンプルでも層分離が起こり、測定が可能になります。それでは詳細を見ていきましょう。

 

STEP1 〜層分離しているかどうかの確認〜

界面活性剤を含む可能性があるサンプルを測定する際には、事前に前処理が必要か否かを確認する必要があります。油分抽出溶媒を適量投入したのち撹拌することで、目視でご確認いただけます。

以下の写真は、実際にサンプルに油分抽出溶媒を投入し撹拌した際のものです。記載の〇の状態のように層分離している場合、前処理なしで測定いただけます。ただし、△もしくは×のように白濁がみられる場合は、前処理後の測定を推奨いたします。

■油分抽出溶媒を投入したサンプル

 

STEP2 〜層分離を促すための前処理〜

目視での確認後、前処理が必要と判断されたサンプルには、塩化ナトリウム(NaCl)を加えます。そうすることで層分離が起こり、油分濃度の測定が可能です。

〈詳細〉
① サンプルに100mlに塩化ナトリウム(NaCl)を30g加える。
② ①で加えた塩化ナトリウムが飽和するまでスターラーで撹拌する。
③ ②の体積をメスシリンダーで量る。

いかがでしたでしょうか。気になる測定手順・実際のサンプル濃度の換算については、以下より資料をダウンロードしご覧ください。

 

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