安定した排水処理を実現する水質監視とは

工場・事業場・下水処理場などから公共用水域へ放流される排水は、操業状況や原水の変動、季節・天候などの影響によって、水質が常に変化します。安定した排水処理と適切な運転管理を行うためには、水質の変化をリアルタイムに把握することが重要です。また、環境関連法令による排水基準への対応に加え、近年では環境負荷やエネルギーコストの低減も求められており、排水処理設備の効率的な運用が重要となっています。こうした課題に対応するには複数の水質項目を継続的に監視し、異常や変化を早期に検知することが重要です。

一方で、複数項目の測定には機器の設置やメンテナンスなどの負担が生じるほか、油分や妨害成分などの影響により、安定したオンライン測定が難しいケースもあります。そのため、複数の水質項目を効率的かつ安定して監視できる測定システムが求められています。

 

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多項目を1台で測定するメリット

オンライン多項目水質測定装置 UV500は、UV蛍光モジュールとUV分光モジュールを組み合わせることで、排水処理の監視に必要な複数の水質項目を1台で最大6項目まで同時に測定できます。

180~750 nmのUV・可視光を測定可能で、COD/BOD/TOC、NH₄⁺、NO₃⁻、PAH/OiW、色度など、さまざまな水質項目の測定に対応しています。複数の測定項目を1台に集約することで、測定機器の設置台数を削減し、設備構成の簡素化や省スペース化を実現します。また、自動洗浄・自動校正機能を搭載しており、油分やSS(浮遊物質)の影響を受けやすい環境でも日常的なメンテナンスの負担を軽減することができるほか、各項目の測定データを一元的に管理することで、運転管理に必要な情報を効率的に把握することが可能です。

PAH:多環芳香族炭化水素、OiW:Oil in Water(PAH換算で算出された油分濃度)

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UV500は、さまざまな業界の排水処理プロセスで安定運転を支援します。

 


主な導入実績・用途例:

  • ごみ埋立処分場の浸出水におけるアンモニア監視
  • 生物反応槽の硝化工程におけるアンモニア監視
  • 石油化学・精錬所のサワー水におけるアンモニア監視
  • 原水・調整槽におけるアンモニア監視
  • 食品・飲料工場の排水処理におけるCOD・BOD監視
  • データセンターの冷却水におけるCOD・BOD監視
  • 石油・天然ガス・石油精製・産業排水処理施設における排水中の油分測定
  • クルミ殻フィルターのろ過性能および最終放流水の油分測定
  • 塗料・建築資材・木材・飲料などの着色排水における色度監視

     

アプリケーション事例

■石油化学プラントにおけるOiW測定


石油化学プラントの排水には、石油由来の油分(Oil in Water:OiW)が含まれています。石油中の主な成分は多環芳香族炭化水素(PAH)であり、高い発がん性が指摘されていることから、適切な処理を行う必要があります。一般的には優れた油分除去性能を備えたクルミの殻を「ろ材」として使用する「クルミ殻フィルター」が用いられ、油分除去性能が低下した際には、クルミ殻の再生・再利用が可能です。クルミ殻フィルターのろ過性能モニタリングおよび最終放流水の確認のため、排水中のOiW測定が必要です。また、水処理施設におけるOiWの測定は、油水分離・回収工程の状態を把握し、運転条件を適正化するための基本情報となります。オンライン多項目水質測定装置UV500は、迅速なOiW測定により水処理プロセスの効率化に貢献します。

■排水処理におけるアンモニア測定


工場や下水処理場における排水処理は水質汚濁防止法への対応といったコンプライアンス遵守の観点のみならず、処理にかかる電気・エネルギー削減による二酸化炭素排出量抑制の観点からも重要です。法令では最終放流水のみ水質測定が義務付けられていますが、排水処理負荷の急激な変動や、処理が困難な排水に適切に対処するためには、排水処理工程の中間段階においても水質をリアルタイムに測定・管理することが求められます。

■オンライン多項目水質測定を用いた排水監視


工場・事業場・下水処理場などから放流される排水は、法令への対応に加え、排水処理プロセスの安定運転や省エネルギー化の観点からも、適切な水質管理が求められています。排水量や水質は常に変化するため、複数の水質項目を継続的に監視し、処理工程の状態を把握することが重要です。

測定原理

UV500はUV吸光・蛍光モジュールを採用しています。これらを組み合わせることで、測定対象やプロセス条件に合わせた最適な構成を選択できます。

■UV吸光モジュール


UV吸光光度法は、試料中の化学物質がどの程度UV光を吸収するかを測定する方法です。試料にUV光を照射し、波長ごとの吸収度合いを測定します。化学物質はそれぞれ特定の波長領域で固有の吸収特性を示すため、得られた吸収スペクトルを解析することで、試料中の化学物質の種類や濃度を特定することができます。

吸光原理

■UV蛍光モジュール


UV蛍光法は、試料中の化学物質にUV光を照射した際に生じる蛍光を測定する方法です。特定の分子はUV光を吸収して励起状態になり、その後、基底状態に戻る際に長波長の光を放出します。この蛍光の波長や強度を解析することで、試料中の特定物質の存在や濃度を特定することができます。

蛍光原理

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