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分光器など光学分光分野で世界トップ企業 仏国 分析機器メーカー インスツルメンツ社(旧ジョバンイボン社)を買収

1997年9月16日


(株)堀場製作所(本社・京都市、社長・堀場厚)は、回折格子や固体発光分析計など光学分光分野において、その品質と歴史から高級分析機器メーカーとして世界で最も信頼が高い、フランスのインスツルメンツ社(InstrumentsS.A.)を買収しました。買収にかかわる要点は、(1)同社全株式を当社が一括買収する。(2)同社は当社グループ傘下として共同で製品開発を行う。(3)当社製品を同社販売網でも販売する。の3点です。株式買収の他に設備増強などを含むインスツルメンツ社への投資総額としては、今後数年間で60億円を予定しています。買収額自体については、契約内容に基づき非公開です。なお、本買収について8月1日に両者間で合意。仏国財務省の審査の他、米国独占禁止法による適正審査を受けていました。このほど承認を得たのを受けて、昨日15日開催の臨時取締役会で正式に同社買収を決定したものです。
インスツルメンツ社は、フランス革命から30年後の、今から約180年前、1819年に大口径レンズの開発をてがけた「ジョバンイボン社」を中核とする、分光器や発光分析など”光”を使った装置・部品を開発する、フランスが世界に誇る分光器のリーディングカンパニーです。特に、半導体や化学産業で使われるラマン分光光度計は、世界で過半数のシェアを持ちます。自社完成品の販売や計測機器メーカーへ分光器を部品として納入するだけでなく、米国「NASA」といった最先端の科学技術研究機関へも特殊仕様の回折格子を納入するなど、世界の最先端科学の進歩にも寄与しています。同社は、17社のグループ企業からなり、欧米に開発・製造拠点を持ち、50カ国に販売網があります。社員数はグループ全体で、当社の半分に相当する約500名で、内42名の博士号取得者を有する、フランスの分析分野を代表する頭脳集団です。

当社がインスツルメンツ社を買収する狙いは、

  1. 分光分野において世界トップクラスの技術力の取り込み。特に、当社が得意とする赤外線に加えて、同社が保有する紫外線から可視光領域技術をあわせ持つことで、紫外線〜赤外線と全ての光領域の基幹技術が揃い、光学装置のフルラインアップがはかれる。
  2. 自動車排ガス分野を中心に展開してきた当社の海外展開に加えて、インスツルメンツ社の欧米を中心とした販売網を活用して、光学装置を足掛かりに、理化学機器の世界展開をはかる、などです。このように、国内のみならず世界市場において、計測機器のトップメーカーを目指す当社にとって、今回の買収は、世界的な技術力を整備するのに必要不可欠なものです。また、インスツルメンツ社が加わることで、当社全グループ2750名の内、海外拠点の外国人従業員が46%を占める、まさにグローバルな中堅企業となります。


一方、インスツルメンツ社側のメリットとしては、

  1. 分光技術およびその研究開発には突出した能力がある反面、特注仕様の製品が多く、生産コスト面の改善を求めている。設計から製造まで一貫しててがける、計測器総合メーカーの当社から生産技術手法を導入することにより、生産性改善が早急に行える。
  2. ますます要求精度・速度が高くなる最近の計測分野においては、単独原理ではなく、いくつもの原理を組み合わせた複合型製品の開発が必要とされる。分光技術も同じく他の原理と併せたものが求められるようになっている。当社の基幹技術と融合すれば、短時間に開発することができる。などの点です。


フランスは今年、4月から1年間日本の文化を紹介する「日本年」です。来年は日本で「フランス年」として、互いの文化の紹介・交流がはかられます。この両国友好の新たな幕開けの年に、当社とフランス企業とが連携し、両者の技術融合と人的交流を活発にして製品の開発を進めていくことで、両国の関係をさらに深める一端を担えればと思っています。まず本年中に、発光分光分野での共同開発にとりかかると同時に、粒度分布計など当社理化学製品をインスツルメンツ社の販売網に乗せ、交流を開始します。2年後をめどに、両者共同開発製品を、日米欧同時発売する方針です。

理化学機器の売上高としては、当社単独では現在の65億円を、3年後に2倍の130億円に、グループ全体では3年後に2倍の300億円を計画しています。


参考資料

  • インスツルメンツ社(InstrumentsS.A.)概要
    同社は、分光器の分野で世界的に有名な、ジョバンイボン社(Jobin-Yvon)を前身とし、その後、プラズマやラマンなど光関係の企業を傘下におく、光学装置専門の分析機器メーカー。「ジョバンイボン」は、分光器の世界的な代名詞で、光学分光および発光分光の同社製品には、今もジョバンイボン社製と冠している。回折格子ならびに分光光度計およびその応用製品である固体発光分析計や高周波原子発光分析計などの製品を持つ。“つくば”の高エネルギー物理研究所にも分光素子を納め、物質の電子の状態の解析・研究にも寄与している。
    社 長:ミッシェル ブゥドロン(MichelBaudron)
    住 所:本社:75001パリ市オペラ通り25番
           (25,avenuedel'Opera,75001Paris)
        工場:91165ロンジュモー市カナル通り16-18番
           (16-18,rueduCanal,91165Longiumeau)
    資本金:3,798.7万フランスフラン(8億4,826万円)
    社員数:529名(グループ全体)