[報道発表] 掲載内容は発表日時点の情報です。

自動車の安全・安心市場に進出 ヒヤリハットをプレイバック。安全運転教育・指導に計測技術で貢献。

2005年8月 1日


堀場製作所と子会社の(株)ホリバアイテックは、車輌が事故などの衝撃を受けた時に映像とブレーキなど各種情報を記録するドライブレコーダー「どら猫」を、開発しました。8月5日より、(株)ホリバアイテック(本社: 東京、社長: 岩見五郎)を通じて販売します。

本商品は、従来から販売されている他社商品のように衝撃を感知して主にカメラからの映像を記録するだけでなく、GPS(全地球測位システム)による位置情報や、ブレーキ・方向指示器の情報も取り込めるドライブレコーダーです。映像だけを記録するのではなく同時にシンクロした情報も取得するので、幸いにも事故には至らなかったヒヤリハットといわれる危険な運転や状況をも解析でき、交通事故抑止効果につながると共に、安全運転教育や指導にも活用できます。


< 市場の背景 >

飛行機のフライトレコーダーのように映像を記録するドライブレコーダーは、自動車事故時の証言者として注目、活用されつつあります。ドライブレコーダーとはフロントガラスに取り付けたカメラで前方の様子を撮影しつづけ、一定以上の加速度(衝撃)を感知するとその時点の前後十数秒間の動画を記録するもので、タクシー業界を中心に事故状況の解析に利用され、普及しつつあります。

しかし、これら従来の商品は、(1) 車輌前方の映像記録が主体 ?記録するのが前後10数秒間と短い (2) 速度や方向指示器の適切さ、ブレーキのタイミング等解析という点で必要な情報が少ない (3) 加速度センサーが踏切りのようなガタガタしている路面にも感知してしまうことがあり、危険でない状況も記録していて膨大な記録から人間が時間と手間をかけて選り分けなければいけない、などの実運用上の問題や課題があります。つまり、このような周辺情報も盛り込め、解析方法を改善すれば、単なる事故時の資料に留まらず安全運転教育や指導にも活用でき、交通事故そのものの抑止効果にもつながります。


< 本商品の開発コンセプト >

事故時の記録を主眼としたデジタルカメラによる前方の動画映像記録を主体としている市販の商品に対して、本商品「どら猫」は、場所はどこだったか?その時の速度状態は?加速していたのか減速していたのか?方向指示器はでていたか?どのタイミングでブレーキを踏んだ?といった周辺情報も併せて記録をするので「ヒヤリハット」と呼ばれる事故に繋がる危険なケースも把握し、教育・指導に活かすという視点での機能構成となっています。

また、ドライブレコーダーとは、事故時の記録の引き金(トリガー)として加速度センサーが使われていますが、道路の段差から受ける衝撃に対しても反応し記録をしてしまうという性格があります。これらの中から、有用なデータと事故につながる危険なシーンではないデータとを選り分けるには、手間と時間を要します。

そこで、本商品では、加速度の大きさや変化の時間といった条件因子から、自動的に危険度を10段階に分類でき、全記録データを大きく要・不要に分ける機能を用意しました。これは、1984年にデジタル記録式の運行管理システムを国産で初めて開発、さらに1999年にデジタル記録方式として国土交通省の認定を取得しタコグラフ市場にも参入と、長年にわたり蓄積した車輌運行管理のノウハウを活かした当社独自技術です。このように、事故そのものの防止や教育・指導などの自動車の「安全」に貢献する商品の開発を狙いとしています。当社は、40年にわたり自動車排ガス計測装置を開発することで、自動車産業の「環境・省エネルギー」や「性能・高効率」に貢献してきました。この新商品は、新たに安全・安心市場への進出の足がかりとするものです。

なお、機能や拡張性により3機種を用意しています。(4.8万円〜8.5万円)


< 主な特長 >

  1. 小型・軽量・高機能
    シンプルなデザインにマグネシウム合金を採用することにより小型でありながら頑丈。記録時間は各30秒間でセンサー感知の前10秒後20秒や前20秒後10秒と使用者によって任意に可変できます。また、カメラは33万画素でテレビ並の映像を提供。
  2. 運行管理者(事務所側)が使いやすい解析ソフトを用意
    記録したデータの危険度を自動的に10段階に分類できる解析機能を盛り込んだことにより、本当に危険なデータの抽出が可能。必要のないデータの削除も容易にでき、管理者の手間を大幅に軽減
  3. ニーズに合わせて3機種
    事故記録を重視した基本構成の安価なものから、乗務員の安全指導や教育に活用できる多くのヒヤリハットデータを取れる高機能機種までをシリーズ化



< 標準価格と主な仕様・機能 >
(型式、機能、搭載センサー、標準価格(税込)の順)

 DR−3031 加速度センサー、速度/ブレーキ/方向指示器/空・実車、GPS 8万5千円

 DR−3033 加速度センサー、速度/ブレーキ/方向指示器/空・実車 7万5千円

 DR−3034 加速度センサー 4万8千円

 共通仕様 ・外形寸法: 110(W)×80(D)×38(H) mm(本体)
      ・質量: 140g(本体)
      ・撮影素子: CMOSカラー 33万画素
      ・記録メディア: CFカード


< 販売目標台数 > (3機種合計) 初年度 3万台/次年度 5万台


参考資料

[ 開発者のコメント ]
社会に貢献できる製品を念頭に考え、自動車運行管理装置で20年以上培ったノウハウと最新のIT技術を融合させた製品開発を行いました。本体(ケース)は事故発生時の装置の保護を考えて軽量ながらも耐久性に優れるマグネシウム合金を採用し、なめらかなシェイプを採用しつつも、装置の小型化を目指し業界最軽量の140g以下を達成。また、万が一の事故発生時には、30fps、30秒間のTV画像レベルの記録を行いますので、事故の原因を細かく解析することが可能です。車両台数の多い事業所では、膨大なヒヤリハットデータの中から本当に危険なデータを抽出する作業は大変な作業です。そこで、管理者の作業低減を考え、当社独自の機能を追加しました。事務所側のソフトウェアでは記録した加速度センサーの波形や走行状況を解析し、自動的に10段階の危険度を決定します。膨大な記録データの中から、危険度の高いデータを重点的に調査することにより効率よく解析し、的確な安全運転指導を行えるように考えました。


  • (株)ホリバアイテック 会社概要
    主な事業:自動車運行管理用機器・システムの開発、販売
    設立  :1978年4月
    社長  :岩見五郎
    資本金 :5,000万円
    売上高 :約10億円(2004年度実績)
    社員数 :28名
    住所  :【本社】〒101-0031東京都千代田区東神田1丁目7番8号
    事業所 :【京都事業所】京都市南区吉祥院宮の東町 (株)堀場製作所 内

  • ドライブレコーダーの市場と業界の動き
    もともと事故処理交渉の参考資料としてタクシー業界からスタートした“ドライブレコーダー”の車輌への搭載機運は、データの活用によっては、事故を未然に防止する有効な手段になりえるとして注目を集めており広がりをみせています。実際に、トラック運送業界でも導入を検討する事業者は急増しつつあります。このような動きから、国土交通省も昨年秋から搭載効果に関する調査を開始しています。業務用車輌の運転者(プロドライバー)にとって、事故時の自身の主張を証明してくれる手段として歓迎され、当初懸念された“管理される”ことへの抵抗感はうすく、逆に管理者とドライバー間の信頼関係が改善されたとの声も聞かれます。一方、注目しているのが 損保業界。事故の未然防止、事故時の解析工数の削減、正確性など、ドライブレコーダーの普及への期待は大きいです。