堀場テクノサービスは、2021年11月に学校法人 東京滋慶学園 東京バイオテクノロジー専門学校(以下、東京バイオテクノロジー専門学校)の学生3名を東京サービスステーションに招き、技能五輪国際大会に向けた分析技術のトレーニングを実施しました。
技能五輪国際大会「WorldSkills」は、参加各国における職業訓練の振興と青年技能者の国際親善を図るため、2年に一度開催されています。東京バイオテクノロジー専門学校3年生の榊原隆平さんは、2022年10月に中国・上海で行われる技能五輪国際大会に出場を予定されており、大会で出題される「滴定※」の技術を磨く目的で来社されました。
※滴定:化学反応を利用して溶液中の物質の量を測定する方法のこと。
トレーニングは11月22日、25日、26日の3日間で、pHメーターの校正、水酸化ナトリウム水溶液の濃度ファクターの滴定測定、その溶液を使ったリン酸およびリン酸二水素ナトリウムの電位差滴定、このような「滴定作業」を中心に行いました。分析計の使い方や滴定の手法だけではなく、原理について知ることで、さらに正確な滴定を行うことが可能になります。
今回のトレーニングは、国立大学法人東京工業大学の大貫敏彦先生のご紹介で実現したものです。このような機会をいただき、HORIBAとしては「分析」の真髄を知ってもらうことができたことを嬉しく思います。技能五輪国際大会での榊原さんのご活躍をお祈りしています。
参加学生コメント
学校で詳しく教わらなかったpHの原理や校正方法について知ることができて良かったです。精度が求められるところと、そうでないところの判断や時間管理など、大会に向けて必要なことが学べました。本番まで一年を切っているので、できる所から課題に取り組んで満足のいく結果が残せるようにがんばります。
堀場テクノサービス 横山政昭コメント
根本理論のところを中心に深掘りして話をしましたが、知らなかった理論を知り、本人たちも目を輝かせていたことが印象的でした。技能五輪では、制限時間3時間のなかで分析とレポートを完成させるところまでが求められ、正確性にくわえてスピードも重要になってきます。3日間という短い時間ではありましたが、今回トレーニングした内容は、HORIBAが受託する依頼分析に似た部分があるのでノウハウを伝授できたかと思います。技能五輪国際大会では、分析結果だけでなく過程も評価されると思うので、そこも大切にして本番に臨んでほしいです。