Current Status of Automobile Analysis in the USA

R.Neal Hervey* | |   技術論文

*HORIBA Instruments Incorporated

米国の新しい規制に対応するために必要となる自動車排出ガス分析の概要を解説し、排出ガス分析の総合メーカとして積極的に計測・評価用機器の開発・製品化に取り組んでいるHORIBA INSTRUMENTS INCORPORATED(HII)の戦略を紹介する。
(1)連邦規制
1990年連邦議会は大気清浄化法の大幅な改正案を可決した。EPAではこれを受け、あらたに低温作動時の排出ガスやアイドリング時の蒸散量の規制と試験・評価方法を策定中である。より厳しい地域では、IM-240とよばれる走行サイクルで試験される。
(2)カリフォルニア規制
カリフォルニア大気汚染対策局(CARB)はTLEV、LEV、ULEV、ZEVと段階的に低公害車を実現するために規制を刷新した。新しい規制では、従来の炭化水素に加えアルデヒドやケトンなど非メタン系有機性ガス(NMOG)をも対象とするもので、また蒸散ガスの試験方法はランニング・ロス、ホットソーク、ダイアナル・ブリージング・ロスの3段階の試験から構成されている。
(3)新規の規制に対応する排出ガス計測装置
新しい規制に対応するために自動車業界からは次のような排出ガス計測装置が求められている。
①48インチシャシダイナモメータを備えたコールドCO分析システム
②R/L、HS、DBL&PS-CVSの各試験設備
③NMOG、NMHCを高精度かつ高速に分析できる分析装置およびサンプリング装置
(4)HIIの製品戦略
新たな規制に対応するために,次のような計測機器を開発し好評を得ている。
①EPA4へ納入し高い評価を受けている48インチシャシダイナモメータ
②HCガス分析計・制御装置・データ処理装置を含めたDBL SHEDシステム
③アルコール、アルデヒド用インピンジャ・サンプリング装置 
④バッグ内部で水分の凝縮を防ぐCVS用流量可変装置
⑤IM-240サイクル試験を総合的に行う自動車排出ガス計測システム