ライフサイエンスにおける蛍光寿命と偏光解消の利用-測定からどんなことがわかるのか?-

阿部文快* | |   34

*独立行政法人海洋研究開発機構 極限環境生物圏研究センター

ライフサイエンス、特に生きた細胞を対象とする研究領域では、蛍光化合物を標識とした分子イメージングが現在盛んだ。これまで多くの興味は標的分子の量的変動や局在に向けられてきたが、最近、蛍光寿命や偏光解消といった蛍光分子が持つ魅力的な性質を利用するケースが増えてきている。本稿では、その基本的な原理と応用及び蛍光寿命測定装置FluoroCubeを用いて行った著者らの研究例について、いくつか紹介したい。