気化・酸化還元法PM分析装置 MEXA-1370PM -PM成分分離性能の改良-

篠原政良*、吉村友志* | |   技術論文

*株式会社堀場製作所 自動車計測システム統括部

自動車エンジンから排出される粒子状物質は、現在、フィルタ重量法と呼ばれる測定方法で規制されている。フィルタ重量法では、希釈排ガスをフィルタに導き捕集された粒子状物質(PM)質量を精密天秤で秤量する。しかしこの方法は手間がかかるうえに、最近ではPM排出量が減少しているため、更なる精度向上が望まれている。そこで著者らはフィルタに捕集したPMを、気化および熱分解と酸化還元反応によりガス化して、可溶性有機成分(SOF)・すす(Soot)・サルフェート(Sulfate)および全PM(Total PM)として測定するMEXA-1370PMを開発した。MEXA-1370PMは捕集されたPM質量を簡便に計測でき、天秤によるPM秤量結果との相関も良い。一方、SOFとSootとの分離性能としてみた場合、PM捕集量0.5mg以下ではSOFとSootの検出比率のばらつきが大きくなるケースがあった。この主要因となっているSOF測定中のO2混ざり込みを抑止するように装置構成や条件の改良を実施した結果、0.2mgまでのSOFとSootを精度よく分離できることが確認できた。