エアロゾルフィルタを通過する大気中の金属成分分析法の開発及び周辺大気の測定

伊藤正義* | |   31

*株式会社堀場製作所

エアロゾルフィルタを通過する大気試料の揮発性金属成分及び微小粒子に含まれる金属成分(Non-filterable metal:NFM )の濃度を測定するため、独自のサンプリング方法(Mist-UV 法)を開発した。Mist-UV法は、フィルタを通過した空気試料と硝酸溶液でミストを石英チャンバ内で生成させ、これに紫外線を照射することで金属成分を酸化金属として硝酸溶液に溶解させるもので、回収した硝酸溶液の金属濃度を定量することで大気中の濃度に換算することができる。この方法を用いて大気中のNFM濃度を測定した結果、マグネシウム、アルミニウム、バリウム、ストロンチウム、銅が検出された。NFMがエアロゾル粒子とは別に高い濃度で大気中に存在していることを確認した。