大気エアロゾル個別粒子の化学成分のリアルタイム計測技術とその応用

藪下彰啓* | |   31

*株式会社堀場製作所

大気中に浮遊しているエアロゾル粒子は、健康へ悪影響を及ぼし、地球の温暖化・冷却化にも関与し、また不均一反応を起こして大気環境に大きな影響を与えると考えられているため、粒子の粒径分布計測や化学成分分析への要求が高まっている。オフラインでの計測ではエアロゾル粒子サンプルの輸送中や保存中に化学変化が起きる可能性があるため、リアルタイムでの計測が望まれている。HORIBAは名古屋大学などと共同で科学技術振興機構(JST)からの委託を受けてエアロゾルの化学成分のリアルタイム分析装置の開発を開始している。近年、質量分析法を利用した大気エアロゾル個別粒子の化学成分のリアルタイム計測技術は研究段階から応用へと進んでおり、大気エアロゾルのフィールド計測、ディーゼルエンジン排ガス計測、たばこ煙計測などに利用され始めている。