大気ガス中微量成分測定技術とその応用

加藤純治* | |   技術論文

*株式会社堀場製作所

非分散方式の赤外線吸収法による一酸化炭素(CO)測定、紫外線吸収法によるオゾン(O3)測定、化学発光法による窒素酸化物(NOX)測定、紫外線蛍光法による二酸化硫黄(SO2)測定、水素炎イオン化法による炭化水素(HC)測定と、大気中微量成分の測定に最適な測定原理をHORIBAは早くから採用してきた。更に、SO2を除き、流体変調方式(測定セルにサンプルガスと測定成分を含まないリファレンスガスを一定周期で交互に導入し両者の信号の差を増幅して測定する手法)を開発し、絶対的なゼロ点の安定を実現した。CO測定においては干渉補正用検出器により水分影響を低減。光源の経時変化が大きいO3測定とSO2測定では、光源光量を測定して影響を補正。NOとNO2を同時に測定するNOX及びメタン(CH4)とノンメタン(non-CH4)を同時に測定するHCのために、触媒と3相の流体変調方式(3種類のガスを交互に導入する流体変調方式)を組み合わせ、1台の検出器で安定に複数成分を同時に測定する装置を開発した。これら完成度の高いシステムとするためのさまざまな技術は、クリーンルーム中の微量アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)などの測定に応用されている。