超臨界水技術によるリグノセルロースからのエタノール生産プロセス

江原克信*1 坂 志朗*2 | |   31

*1株式会社堀場製作所、*2京都大学大学院

リグノセルロースは超臨界水(>374 ℃,>22.1 MPa)中で分解され、水可溶部、沈殿物、メタノール可溶部及び超臨界水不溶残渣へ分離された。水可溶部には、炭水化物(セルロース、ヘミセルロース)由来の加水分解物、脱水化物、断片化物及び有機酸類が含まれていた。沈殿物は通常の水には不可溶であるが超臨界水に可溶な多糖であった。一方、メタノール可溶部はエーテル結合が優先して開裂することで得られる縮合型のリグニン由来物質で構成されていた。これらの結果から、超臨界水処理はエタノール生産システムの前処理として適切であると考えられた。