コラム:FuelCon とHerrmann 博士ご夫妻との縁

石田 耕三* | |   53

* 株式会社 堀場製作所
2019年6月3日(月曜日),FuelCon社*1訪問の後,ベルリンに住んでおられるRudolf Herrmann博士を訪問して,昨年亡くなられた奥様のKarin博士のお墓参りをして来ました。
Herrmannご夫妻は1994年から2年間,特別ゲスト研究者として堀場製作所の開発部門で研究され,同時に当時の若手開発者へのご指導をいただきました。Karinさんからはレーザーダイオードに関する知識と技術を指導いただき,現在,高感度ガス計測に応用されている量子カスケードレーザ(QCL)導入のきっかけにもなりました。ご主人のRudolf博士も半導体薄膜生成とその物理的特性などに関する指導を頂き,ISFETの電極開発やMEMSプロセスの開発の基本構築にも貢献にただきました。それぞれのご専門のお立場から,本誌にも論文を寄稿いただきました[1, 2]。そのご縁で,今でもお付き合いがあり,今回の訪問となりました。
先日,堀場厚会長兼CEOが,FuelCon社が本拠を置くザクセン=アンハルト州(The federal state of Saxony-Anhalt)のReiner Haseloff知事と面談されましたが,Rudolfさんとのお話から,その知事は,KarinさんがHunboldt大学(ベルリン)物理学教授時代の教え子であることが分かりました。Herrmannご夫妻とお会いして20年近い時を経て,堀場厚会長兼CEOのHaseloff知事との面会を通じて,再びHerrmannご夫妻との関係を知り得たことは偶然とは言え不思議なご縁を感じました。お世話になった多くの方々とのご縁に恵まれた私の人生を振り返り,技術を通した人とのつながりを大切にすることで,若い人達にもこのような幸せを感じてほしいと願っています。