2019 堀場雅夫賞: パラメータ感度プロットの開発とリチウムイオン二次電池のモデリングへの応用

丸田 一郎* | |   53

*京都大学
本稿では,モデリングにおけるパラメータ推定の困難さを解析するための新しいツールとして,正規化パラメータ感度プロットを提案する.このプロットは同定入力のパラメータ推定精度への寄与と,複数のパラメータの推定精度の相対的な関係を周波数領域において可視化する.この相対的な関係によって実際的な推定精度の限界が定まり,その推定精度限界の評価にプロットが有用であることが示される.また,提案法の活用例として電気自動車用の充電式電池のモデルを解析し,モデル構造の選択やパラメータ推定に必要な実験の計画において有用な情報が得られることを示す.