マイクロフロー光誘導加速による革新的バイオ計測技術の開発

飯田 琢也* | |   技術論文

*大阪府立大学

医療,創薬,公衆衛生における生体試料(タンパク質,核酸,微生物など)の測定では,従来法は煩雑かつ長時間の操作が必要なことが多く,感度も改善の余地があった。筆者らは,液中の光応答性材料(基板,粒子)への光照射時に生じる「光圧」と「対流」を相乗的に利用し,流路内の狭小空間で測定対象とプローブ粒子を濃縮して反応を加速することで迅速・高感度な計測を実現するマイクロフロー型の光誘導加速システム(LAC-SYS)を開発した。これにより従来法と比べて数十~数百倍の高感度を達成し,極微量(fgオーダー)のタンパク質を数分間で定量評価することに成功した。本技術は医薬品開発や個別化医療,食品検査など幅広いバイオ計測を革新するものである。