ラマン分光技術の臨床検査への展開

ユルゲン ポップ* | |   技術論文

*Friedrich-Schiller University Jena

この論文では,感染症や癌の診断や標的治療の観点から,ラマン分光法をより臨床的に利用するための革新的な技術とデータ解析のコンセプトに関する我々の最新の成果を紹介する。まず,感染症の迅速な診断のための臨床的なラマンソリューションについて述べる。これは,患者の生存に必須の抗生物質標的投与の決定的なパラメータである感染症原因病原体の抗生物質耐性パターンおよび理想的な場合には免疫反応をも,迅速に特定するという点で重要な役割を果たしている。次に,術中の腫瘍マージンを迅速かつ安全に正確にコントロールするための,非線形多重モードラマンイメージングに注目する。なぜならば,手術中に腫瘍マージンを確実に認識することが効果的な腫瘍治療の鍵となるからである。
キーワード
ラマン分光,人工知能,ケモメトリクス(計量化学),微生物分析,感染症,癌,スペクトル組織病理学