特別寄稿:自動運転によるモビリティの未来

須田 義大 | |   46

人間の移動と物の輸送を,効率的にかつ快適に行うこと,これは人類が文明社会を創成して以来の課題であろう。産業革命で蒸気機関が発明され鉄道が誕生した。内燃機関とゴムタイヤの発展により,自動車が陸上交通の主役となった。バッテリーや燃料電池の進展により電気動力の自動車への本格的な導入が現実的になり,かつICT(Information and Communication Technology)の進展によりIoT(Internet of Things)時代に突入し社会インフラと繋がるクルマは,人工知能とセンシング技術の大幅な進化により自動運転技術を身に着け,新たなモビリティ社会の主役になることが期待できる。ITS(Intelligent TransportationSystems ; 高度道路交通システム)の進化と自動運転により,モビリティ社会の変革の可能性がある。本稿では,最近の情勢を紹介したい。ただし,この分野,技術の進展のみならず社会情勢の変化も早く,日進月歩で進展する。詳細なテクノロジーの紹介ではなく,主としてコンセプトと社会情勢についての紹介としたい。