特集論文:次世代リソグラフィ技術に応用するブロックコポリマーの重合技術

川口 幸男 | |   47

DSA(誘導自己組織化:Directed Self-Assembly)技術は低コストで微細なパターン形成が可能なため次世代のリソグラフィには欠かせない技術である。現状のリソグラフィ技術とDSAを組み合わせることでより微細な規則的なパターン形成が可能となる。DSAプロセスはBCP(ブロックコポリマー:Block Copolymer)という材料自身が規則的な自己組織化,いわゆるミクロ相分離構造を形成する特徴を用いてパターンを形成する。BCPを用いた微細パターン形成では,ハーフピッチ10 nm未満のミクロ相分離構造を形成することも可能である。BCPの自己組織化によって得られた相分離領域はポリマーのサイズ(分子量)と一致し,そのサイズは構成しているブロックの重合中に制御できるものである。DSAプロセスではポリマーサイズをより精密に制御し,BCPを量産する技術が要求されている。我々は新しく得たリビングアニオン重合技術を用いて,ポリマーサイズを精密に制御し,BCPの量産に成功した。