ISFET-pH電極を用いた海洋の現場計測用pHセンサの開発

下島公紀* | |   技術論文

*財団法人電力中央研究所

海水のpHは、海水中の物質の物理化学的状態や生物活動を支配する重要な因子である。近年では地球温暖化に関連してpHセンサによる現場計測が注目されている。pH電極にイオン感応性電界効果型トランジスタを参照電極に塩素イオン選択性電極を用いたpHセンサは、海洋の表層から深海までの海水のpHを高精度に現場計測できる測定器として期待できる。これらの電極は、共に固体電極のため耐圧性・耐衝撃性があり、高圧下の深海において問題なく使用できる。開発したpHセンサの現場での応答速度は1秒以下、測定精度は±0.005 pHである。またこのpHセンサの電極部をガス透過膜で封止することによって、二酸化炭素分圧センサに応用することができる。