卓上型X線分析顕微鏡

細川好則* | |   8

*株式会社堀場製作所

X線は光や電子線などに比べて物質や生体に対する透過力が大きく、また短波長であることからさまざまな非破壊分析の基本手段となっている。しかしX線を集束して微小領域に照射するために必要となる適当なレンズなどの作製が難しいため、微小領域のX線分析は困難であった。卓上型X線分析顕微鏡は、内面を回転放物面状に形成したガラス細管の開発によってX線を高輝度微細ビームに集束して試料に導き、試料ステージを走査して透過するX線強度分布と蛍光X線強度分布を同時に画像として得ることにより微小領域の分析を行うものである。本装置を用いると物質の微小領域の元素組成などの分析が可能なことから、金属・セラミックス・半導体・高分子などの研究開発や品質管理での利用のほか、大気中で使用できるので生体物質の研究などにも広く利用が期待される。