トリプル・レーザラマン分光測定装置 RAMANOR T64000

岡本昭一* | |   22

*愛宕物産株式会社

ラマン分光法は物質の化学組成の同定や分子構造の解析用として大変有効な分析法である。しかしラマン散乱光の強度は非常に微弱なため、特に高性能の光学系が必要となる。光学関連技術に優れた実績を持つJobin Ybon社は、各種のラマン分光装置を開発・販売している。本稿では、3 段のモノクロメータを持つトリプル・レーザラマン分光測定システムRAMANOR T64000を紹介する。RAMANOR T64000は、サンプルの性状に応じて3種類の測定モードの中から最適な測定条件を選択することができる。ここではYBCO系高温超伝導体および塩化水素ガスのラマンスペクトル測定、α-アルミナの応力測定などの実測例を示す。