むし歯研究におけるイメージング分析の活用方法

北迫勇一* 田上順次* 平石典子* 奥田真実子* 二階堂徹* | |   24

*東京医科歯科大学大学院

従来、むし歯の臨床診断は主に視診・触診・透過X線診断など術者の主観的な判断のもと行われてきたが、定量性や客観性の点で十分ではない。近年、イメージング機能を有するpH測定技術やX線分析技術が開発されており、より定量的かつ客観的なむし歯診断法や治療法の確立に寄与できるものと期待される。そこで筆者らは、堀場製作所が開発した光走査型化学顕微鏡とX線分析顕微鏡を使って、(1)むし歯の進行度の定量的評価、(2)歯科用接着性修復材料の評価、(3)フッ素徐放性むし歯修復材料の評価など歯科分野での可能性を検討し良好な結果を得た。本稿ではこれらの研究結果を報告し今後の期待と課題を述べる。