ウエハ裏面冷却システムGR-100シリーズ

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近年の半導体プロセスにおいてはデバイスの高集積化に伴い薄膜の“微細化”、“多層化”に対応したプロセスが導入されている。また最先端のプロセスにおいては、ウエハサイズの大口径化(300 mm化)も実用段階に入って来た。エステックではプロセスに使用されるガス・液体材料の精密流体制御技術を核とし、プロセスチャンバ内の状態をリアルタイムにモニタリングする残留ガス分析技術、静電容量の変化を捕らえ絶対圧を計測する真空計測技術を新たに加え、最先端の半導体プロセスに対応した製品をラインナップしている。ウエハ裏面冷却システムGR-100シリーズは半導体プロセスで多用されている“プラズマCVD装置”や“エッチング装置”への搭載を目的とした、ウエハ冷却用ヘリウムガスの制御システムである。世界最小クラスのコンパクトサイズに、冷却用ヘリウムガスの微圧制御機能と流量計測機能を持ち合わせた全く新しいコンセプトのもと誕生した新製品である。プラズマを用いた半導体製造装置では、原理的にプロセス処理中のウエハが高温になる為ウエハ温度の制御が必須となる。ウエハ裏面にヘリウムガスを供給し温度制御を行いながら“成膜”、“エッチング”を行う。ウエハ裏面へのヘリウムガス供給は静電チャック圧力とチャンバ内圧力とのバランスを考慮し、精密な圧力制御が要求される。高精度で信頼性の有る圧力センサと高速な流量制御バルブを組み合わせた冷却システムが採用されているが、半導体製造装置の小型化要求に対応することが困難な状況であった。エステックでは世界最小クラスのマスフローコントローラSEC-G100シリーズの製品化を既に行っており、この技術を応用しウエハ裏面冷却システムGR-100シリーズを完成させた。GR-100シリーズは、圧力センサ・サーマル流量センサ・流体制御バルブを39 mm角のコンパクトなボディに搭載したモデルで、冷却用ヘリウムガスのプロセスチャンバへのリーク量も計測可能で、従来の冷却システムと比べ格段にフットプリントを削減したシステムが容易に構築できる。