ナノ応力顕微鏡の開発-Ⅰ -高波長分解能カソードルミネッセンス分光法を用いた応力解析-

Giuseppe Pezzotti*1 西方健太郎*2 柿沼 繁*2 | |   28

*1京都工業繊維大学、*2株式会社堀場製作所

本稿では、まず最初にナノ応力顕微鏡の基盤であるカソードルミネッセンス(CL)分光法とCL分光スペクトルを用いた応力測定について解説する。次に、ナノ応力顕微鏡のシステム構成並びに校正法、データ処理法について述べる。ナノ応力顕微鏡による測定例としては、ルビー中の固有不純物(Cr3+)からの発光ピークが応力により波長シフトする量の測定並びに石英ガラスの酸素欠陥からの発光を用いた応力分布測定について論議する。最後に、ナノ応力顕微鏡による応力測定についてまとめ、今後の課題と将来性そして新材料やデバイスの開発に与える影響について簡潔な見通しを述べる。