コラム : ITSを活用した究極のエコドライビング

石倉 理有 | |   42

近年,われわれの生活において自動車は必要不可欠なものとなっている。人の移動手段,ものの輸送手段として生活の一部になっている。しかし,同時に化石燃料の消費量も膨大である。これに伴なって大気汚染や地球温暖化(二酸化炭素影響)など大きな社会問題を引き起こしている。この消費量をいかに減らすことができるかはこれまで大きな課題となっている。その答えとして,ひとつはインフラの改良による対応として,高度道路交通システム(ITS1),自動料金徴収システム(ETC)などがある。また,自動車メーカーは,燃費の改善に余念がなく,さらにハイブリッドカーや電気自動車を市場投入して化石燃料の消費量を減少させている。しかしながら,これらインフラや自動車そのものの性能向上に頼る以外に,もっと身近なところにも目を向ける必要がある。化石燃料の消費量をいかに減らすか,言い換えると省エネを実現するためには,運転者の運転技術の向上と省エネ意識向上が必要である。そのためには,これまで感覚的であった省エネの概念を定量的に評価し,運転者に適切な情報を逐次提供する必要がある。本稿では省エネ運転促進に対象を絞って,過去の社会実験の結果なども踏まえて述べる。

1 ITSIntelligent Transport Systems:高度道路交通システム)