蛍光X線分光法による超微量分析 ―新しい高効率波長分散型X線分光器の開発と高輝度シンクロトロン放射光による全反射蛍光X線分光法への応用―

桜井 健次 | |   36

非破壊的な元素分析法である蛍光X線分光法の微量物質検出能力を極限的に引き上げることを目指し,機器開発を行った。半導体表面の汚染物質の有力な計測技術としても知られる全反射蛍光X線分光法では,これまで波長分散型X線分光器と組み合わせることは微量分析の観点では不利と考えられていたが,本研究により,その常識が破られた。超高効率の分光器の技術が開発され,SPring-8の高輝度シンクロトロン放射光と組み合わせて用いられた。その結果,検出限界を当時の世界最良のデータよりも1桁以上改良し,10-16gレベル,ppt濃度レベルの超微量分析を実現することに成功した。