電気化学に基づく欠陥エンジニアリング技術の開発

中村 崇司* | |   技術論文

*東北大学

燃料電池や次世代型蓄電池などの高効率エネルギー貯蔵・変換技術は, クリーン水素の利用によるカーボンニュートラル実現の中核を担う重要な技術と期待されている。上記デバイスを構成するエネルギー機能材料では,材料中の欠陥が機能発現の鍵となることが知られている。つまり, 欠陥を軸とした機能性の理解と材料開発は重要な研究開発項目の一つであると言える。著者は電気化学セルの出力電圧が対象材料の化学ポテンシャルに対応するという現象に着目し, 機能性酸化物中の欠陥生成機構を解明するための評価手法を開発してきた。さらにその技術を材料合成に応用する検討も進めている。本稿では触媒および蓄電池材料を対象とした著者らの取り組みについて述べる。