熱暴走:超音波はリチウムイオンセルの最も危険な課題を解決できるか?

ミシェル ブラグリア, リチャード ストッカー* | |   技術論文

*HORIBA MIRA

近年,バッテリーに関連する事故が頻発し,電気自動車(EV)のリスクと安全性に対する社会的な認識が高まっている。バッテリー管理システム(BMS)に搭載されている安全機能は,セル表面に取り付けられた熱電対に大きく依存している。しかし,効果的な早期警告システムのためにはバッテリーの内部変化を記録・検出する能力が不可欠であり,そのために最適な技術の一つが超音波測定である。欧州自動車工業会(ACEA)が資金提供するプロジェクトの一環として,HORIBA MIRAはロンドン大学(UCL)と共同で,熱暴走(TR)を事前に警告するためにセルの内部変化を検出する超音波の利用法を研究している。本稿では,バッテリーセル内部の異常状態の検出や熱暴走の兆候の早期検出のために超音波センサーを応用した実験研究を報告する。