デュアルクロスモジュレーション方式を用いたガス分析計と大気汚染監視用測定器への応用

嘉田教夫* | |   技術論文

*株式会社堀場製作所

大気中に微量に存在する炭化水素や窒素酸化物の濃度を測定することは、二酸化炭素やフロンガスの測定と同様に、地球環境の保護の面からますます重要となっている。欧米では、長期の連続測定に適した大気中の微量ガス分析技術としてCLD法やFID法などの乾式法が採用されており、当社では早くから乾式法による大気汚染監視用のガス分析計を開発・製品化してきた。今回、高精度かつ安定な測定方法として評価の高いクロスモジュレーション方式をさらに発展させたデュアルクロスモジュレーション方式のガス分析計を開発した。本方式は、多成分の同時測定が可能であり、とくに原理的にゼロドリフトフリーな測定方式であるなどの多くの特長を持っている。本稿では、大気汚染監視用炭化水素計(APHA-350E)および大気汚染監視用窒素酸化物計(APNA-350E)を中心として、デュアルクロスモジュレーション方式のガス分析計の動作原理と特長を述べる。