顕微専用フーリエ変換赤外線分光光度計(FT-530)

池田昌彦* 右近寿一郎* 中田 靖* | |   技術論文

*株式会社堀場製作所

フーリエ変換赤外分光光度計に赤外顕微鏡を取り付け、微小な試料を測定する赤外顕微分光法は、5~6年前から注目され始めた。特に最近は、FTIRをさらに効率良く使用するために、顕微鏡とFTIRを一体化することが必要となってきた。今回、高性能、かつ操作が容易な顕微専用フーリエ変換赤外分光光度計を開発した。本機は、微小領域を感度良く測定するための遮蔽用マスクを設け、このマスクの位置を観察するための光路を二分割することにより、スペクトルの測定領域が容易に観察できるようにした。さらに、カセグレン逆望遠鏡を用いたリレー光学系により測定光路長を短くし、水分や二酸化炭素ガスなどの影響を受け難くした。また、試料への入射光路と射出光路とをずらし、その間にATR結晶を設置することにより、0.7 mm × 1 mmの微小なサンプルを全反射法を使って測定することが可能になった。