鉄鋼中極微量炭素の定量分析

田中清之* 伴 弘一* | |   5

*日新製鋼株式会社 鉄鋼研究所

最近鉄鋼業界では高級鋼材の開発に伴って、不純物元素を極微量まで低減し管理する技術が要求されている。炭素についても、鉄鋼中の10mass ppm以下の極微量を正確かつ迅速に定量する分析技術が求められている。現在、鉄鋼中の炭素分析については燃焼-赤外線吸収法が日常の管理分析に広く使われている。この分析法においては、試料中の炭素の抽出に関して電気抵抗加熱方式と高周波誘導加熱方式の2方式がある。本稿ではこの2方式の特徴と極微量炭素定量にあたって、特に試料の表面付着炭素の問題をいかに解決したかを中心に述べる。