X線マイクロアナリシスから見た惑星構成物質の形成史

北村雅夫*1 村瀬 潤*2 大堀謙一*2 | |   技術論文

*1京都大学、*2株式会社堀場製作所

X線マイクロアナリシス(X-ray microanalysis:XMA)は、試料に細く絞った電子線を照射して発生した特性X線により微小領域の元素分析を行う分析手法で、電子線マイクロアナリシス(electron probe microanalysis:EPMA)とも呼ばれる。X線マイクロアナリシスは、太陽系の惑星の構成物質が形成された過程を物質科学的に解明する研究において重要な役割を果たしている。ここでは、結晶の成長や溶解の過程に関する知見から、X線マッピングにより観察できる鉱物内の化学組成の不均一性がどのように解釈され、鉱物の経てきた履歴の情報を引き出されてきたかを示す事例として、隕石・火山岩などの研究を紹介する。