コラム:固定発生源排ガス分析計のサンプリング技術について

秋山 重之* | |   54

*2019年12月まで 株式会社堀場製作所 開発部門勤務
堀場製作所(HORIBA)は,1968年の大気汚染防止法の制定に前後して工業用赤外線分析計を産業分野へ供給していた。そして,環境規制が具体的に動き出した頃から事前調査として,この分析計を元に煙道排ガス分析計を開発した。規制が始まると同時に自動車排ガス用一酸化炭素(CO)計で培った量産化技術を活かして煙道排ガスSO2分析計を上市し,煙道排ガス分野へ進出した。初期の分析計は,コンパクトで設置が容易だったこと,さらに量産効果が功を奏し低価格が実現できたことで,より多くの客先に導入され,その結果として多岐にわたる稼働現場から多くを学ぶことができた。本稿では,HORIBAの固定発生源排ガス分析計(以下,煙道排ガス分析計という)の歴史をたどりながらサンプリング技術を中心に解説する。