一般論文:放射温度計における測定波長の最適化による雰囲気ガス吸収影響低減の評価

藤野 翔* | |   54

*株式会社 堀場製作所開発本部 製品開発センター 化学・半導体開発部
近年,半導体やフラットパネルディスプレーの製造プロセスにおいて,より高精度に温度を測定するニーズが増えており,非接触温度計である放射温度計の要求が高まっている。しかし,半導体の製造工程で高濃度の反応性ガス雰囲気での処理が行われるため,汎用的な放射温度計では反応性ガスによって赤外線が吸収され,正確に測定対象物の温度を測定できない。そこで,反応性ガスの吸収の少ない波長のみを透過させる光学フィルタを用いた放射温度計を開発した。これによって,反応性ガスの吸収によるガス濃度影響を大幅に低減することができ,測定対象物の温度をより正確に測定することを可能とした。