New Trends in Elemental Analysis with the Use of X-ray Fluorescence in the U.S.Market

Michael C. Pohl* | |   技術論文

*HORIBA Instruments Inc.

エネルギー分散形蛍光X線分光分析法(EDXRF)は手軽な汎用元素分析装置として開発され発展してきた。EDXRFは周囲の元素組成の影響(マトリックス効果)や軽元素の検出感度などの課題はあるが、誰もが容易に操作できコスト・パーフォーマンスが高いなどの特長を生かして、変圧器用油中の塩素の分析や廃油中の磨耗金属の測定など各種産業のルーチン分析用として幅広く使われている。近年の環境問題の高まりを受け、米国では1990 Clean Air Actに対応してEPAがディーゼル燃料中の硫黄を500ppmまでに減少させようとするなど、各種石油製品中の硫黄含有量の規制はますます厳しくなりつつある。EPAでは波長分散形蛍光X線分光分析法(WDXRF)を公的な硫黄分析法(ASTM D2622)とすると同時に、ある条件下ではEDXRFを代替分析(ASTM D4294)として認めている。現在HORIBAでは規制濃度の1/10を測定できるEDXRF装置の開発を進めており、次世代のEDXRFとして牽引力となるものと期待している。