乳ガンの早期診断を目指すシステム開発

安藤正海* | |   33

*東京理科大学

X線の屈折を利用して従来のマンモグラフィでは困難であった乳ガンに関係する構造組織が見えるシステムを開発中である。X線の吸収による方法に比べ、少ない被曝線量で約1000倍のコントラストと高い空間分解能が期待できる。非対称反射の回折により単色化すると同時に平面波化したX線を試料に当て、石灰化と組織構造に対応しわずかに屈折して透過するX線を角度分析板で直進X線から分離する。透過型の角度分析板を用いるX線暗視野法と名付けた方法では、角度分析板を特定の厚みにすると直進X線が透過しないことを利用し、屈折X線のみによる透過画像が得られる。またCT像を得るために屈折コントラストに対する数学形式を開発し、世界で初めて屈折原理の非浸潤性乳管ガンなどの3次元像を得た。