原子及び分子分光法の利点を用いた蛍光X線/ラマン複合型マイクロアナライザ

Koen Janssens* | |   33

*University of Antwerp

蛍光X線分析(XRF)は多種多様な物質の無機分析に広く使用されている一般的な分析法である。顕微鏡分析能力(μ-XRF)を備えた小型のED-XRF装置はさまざまな形で利用することが可能である。ラマン分光法(RS:Raman Spectroscopy)は、極めて特別な分子分析法で、多くの無機・有機化合物類の識別に適した優れた方法であることが実証されてきた。また、ラマン分光装置の小型軽量化も進んでいる。上記の2つの分光法を1台の小型XRF/ラマン複合型装置に組み込むべく、XRFとラマンによる試料表面の同一領域の同時測定を可能にする照射及び検出のジオメトリが設計された。文化遺産部門での顔料関連の調査における本装置の有用性を実例をもとに説明する。