最速のサーモパイルを搭載した放射温度計 IT-460

中田嘉昭* 猪原 優* | |   33

*株式会社堀場製作所

物体の表面温度を非接触で測定する手法として、測定対象物の表面から放出される赤外線量を計測する放射温度計がある。HORIBAの放射温度計は各種ラインナップしてさまざまな用途に対応しているが、動体の計測用途や、急激な温度変化を観測する用途においては応答速度の高速化が望まれていた。放射温度計の応答速度は内部に搭載している赤外線センサの応答速度に依存している。我々は、赤外線センサとして主にシリコン半導体プロセス技術を使って微小構造を作るMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を使った、特徴的な感熱部を有するサーモパイルを構成し、更にセンサ構造・光学系・信号処理系を最適化することで、室温以下の温度を測定できる放射温度計としては最速の応答速度を実現した。