運の他に何が要るか? XGT とその後の研究

中沢弘基* | |   33

*独立行政法人物質・材料研究機構

XGT(X-ray Guide Tube, X線導管)は最初の発表から既に25年を経過して小さな歴史となった。長いXGTを第二世代放射光施設(PF)に敷設する案は不採用になったが、いろいろな運に恵まれてHORIBAのX線分析顕微鏡XGTシリーズとして一定の成功を見た。ノーベル賞や甲子園の優勝にも運は不可欠であるが、成功には他に何が要るか?当時の周辺事情や着想と開発の経緯及びXGT後に生命起源論の研究に転戦した経緯を述べて、諸兄姉の考察の材料に供したい。