特集論文:再生医療分野におけるpH測定の要望と今後の展開

宮村 和宏, 市成 祐一 | |   48

*株式会社 堀場アドバンスドテクノ
再生医療は人体の組織を人工的に作り機能を回復する治療法として普及すべく,目まぐるしい研究開発が行われている。この再生医療を一般化するためには,iPS細胞などの幹細胞を大量に培養する必要がある。安定して大量培養するには培養液のpHモニタリングは必須項目である。この細胞培養用pHセンサーには「無菌環境の維持」,「溶出物の細胞への影響」,「測定の安定性」が必要である。細胞培養用シングルユースpH電極の一例として,細胞培養容器に接続可能なγ線滅菌済みのpH電極を紹介する。結果,本電極にて2週間以上の細胞培養を実施し,培養液の0.1 pH以内のpH制御を実現した。今後も,我々は再生医療分野からの新しい分析への要望に応え,再生医療の発展へ計測の断面から貢献する。