半導体のマルチモーダル分光分析のための新しいプラットフォーム

プラヴィーナ マニムンダ,フランシス ヌディ* | |   技術論文

*HORIBA Scientific

マルチモーダル分光法は,複数の異なる分光法を1つのプラットフォーム上で組み合わせるというコンセプトで,単一のプラットフォームで利用できる分析機能の範囲を拡大する。最先端の半導体製造では,生産の効率化と不必要なウェハーハンドリングを避けるために,1つのウェハープロセスステーションに複数の異なる測定器を設置することがごく一般的になっている。しかし,材料研究,あるいは製品やプロセス開発の段階では,このコンセプトはまだ一般的ではなく,異なる分光分析法を提供する複数の異なる装置を持つことがより一般的である。複数の分光測定技術を集積することで,コスト削減という明らかなメリットに加えて,サンプルの同じ場所で複数の補完的な測定が可能になるという利点もある。このような同一特定場所でのマルチ計測は,デバイスの微少部分や欠陥等の特性把握において,特に重要になる。ここでは,半導体特性評価のために,HORIBA製マルチモーダルマイクロ分光器システムから得られる結果を紹介する。SMSシステムと呼ばれるこのシステムは,ラマン,フォトルミネッセンス,時間分解フォトルミネッセンス(ライフタイム),反射率,透過率など,最大7種類の分光法を搭載できるモジュール式のフレキシブルなシステムである。さらに,異なる装置間での相関測定が必要な場合でも,HORIBAのnanoGPS navYX™のような座標系変換技術により,異なる測定プラットフォーム間でのサンプルコロケーションを迅速に実現することが可能であることを紹介する。