エリプソメトリーとラマン分光法によるリチウム複合電極のオペランド解析 〜Li₄Ti₅O₁₂ 負極の場合〜

バレリー シラー,アレックス モラタ,フアン カルロス ゴンサレス ロシリョ,マルク ヌネス エロレス,ミッシェル スタコフスキー,アルベルト タランコン* | |   技術論文

*Catalonia Institute for Energy Research (IREC), HORIBA FRANCE SAS

チタン酸リチウム薄膜は, 安全性, コスト, サイクル寿命の改善により, リチウムイオンマイクロバッテリやハイブリッドスーパーキャパシタに使用される負極材料としてますます注目を集めている。チタン酸リチウムの化学量論組成と結晶中の各構成元素の占有率の制御は, 二次電池の高容量化や高寿命化において重要である。これまでのところ, 主に純粋なスピネル相のLi4Ti5O12(LTO)に研究が集中し, チタン系金属酸化物薄膜の広範な領域はごくわずかしか研究されていない。本研究では, パルスレーザ堆積法(PLD)を用いてLTOとLi2Oを交互にアブレーションすることにより, チタニア系マイクロアノード(負極)の組成を広範囲に変化させることに成功した。それらの構造をラマン分光法で(RS)分析し, 性能をオペランド分光エリプソメトリー(SE)で解析した結果について報告する。

※1 オペランド解析:分光分析等の非接触手法による動作中の高精度解析。
※2  アブレーション:強いレーザー光を原材料に照射し, 分解・昇華させることにより望ましい特性の薄膜を形成する手法。